ソフトボイルド

作品集: 最新 投稿日時: 2010/03/20 12:16:19 更新日時: 2010/03/20 12:16:19 評価: 11/12 POINT: 66 SPPOINT: 57 Rate: 1.52
 一

「温泉がなくても温泉卵は作れるって、知ってるか?」
 そんなことを言われたのは、私、霊烏路空がその温泉卵を口いっぱいに頬張っていた時のことだった。
 そこは私の根城、暗い地面の底から外に出た場所にある神社の中。そしてその奇天烈な質問をしたのは、白のブラウスに黒いワンピース、霧雨ナントカとかいう名前の、白黒の魔法使い。
「そんなの、あるわけないじゃない。温泉がないのに、どうやって温泉卵を作るってのよ」
 地面から湧き出た温泉に卵を浸してしばらく待つと、卵がゆで上がっておいしい温泉卵になる。それが私の知っている限りの温泉卵の作り方で、私には白黒の言うことがぴんと来なかった。
「別に温泉じゃなくても、お湯さえあれば温泉卵と同じものは作れるんだぜ。しかもここの温泉でできるゆで卵よりも、おいしくできるんだ」
 ゆで卵よりもおいしい、という言葉に、少しカチンとくる。何しろこの神社の温泉は、我が力の余熱で湧いて出たものなのだ。だから、ここで私が温泉卵を作って食べるのは当然の権利で、その温泉卵よりもおいしいとは聞き捨てならない。
「疑ってるな? だったらこの場で作ってみせようか。おい霊夢、台所借りるぜ」
 あまり散らかさないでよ、という巫女の言葉を聞き流しながら、白黒は台所に向かう。ついていってみると、白黒は土間で小さめの桶と落し蓋を引っ張り出した。少し待ってな、と言い置くと、彼女は勝手口から神社の外に出て、湯気の立つ手桶を手に戻ってくる。
「こう、ほんの少しだけ冷ました湯に卵を入れてだな……」
 桶に卵を入れて、お湯を注ぎ、上から落し蓋をかぶせる。
「これで半刻ほど待っていれば、温泉卵ができる」
 ふーん。ずいぶんと簡単にできるものだけど……何か変だなぁ。
「これ、お湯が冷めちゃわない? やっぱり温泉につけとかないと、きちんと卵がゆだらないよ」
「いいんだよ、これで。あんまり冷めすぎてもまずいから、その時はさし湯がいるけどな」
 そうやって、やきもきしながら待つこと半刻。白黒はお湯の中から卵を取り出す。
「できたぜ。これが温泉を使わない温泉卵だ」
「使ったのは温泉のお湯だけどね。本当にゆで上がってるのかな?」
「できてるとは思うぜ。ただ、ゆで卵にはなってないと思うけどな」
 それってどういう意味? 白黒はその疑問に答えるように、器に卵を叩きつける。ぐしゃり、と卵に器がめり込む。生卵を割ってるような感じがするんだけど……。
 殻を割って最初に現れたのは、どろりとした白い液体だった。それから遅れるように、黄色い塊がするりと器の中に落ちてくる。それ見たことか、きちんとゆだっていない。
「確かに、ゆで卵とは違うけどな。一見失敗っぽく見えるだろうが、食べてみればそのうまさが分かるってもんだ」
 白黒はそのゆで卵と生卵の中間みたいなものに塩を振りかけて、私にそれをお箸と一緒に差し出した。毒見してみろ、ということらしい。
 まずかったら思いっきり文句を言ってやるんだから。私は箸をつかむと、少々苦労しながら器の中の白と黄色の物体を口に運んだ。
 世界が、変わった。
 何これ、おいしい。いつも食べてるゆで卵の、ぽそぽそした感じとは全然違う。口の中に運んだふわりとした白身と、柔らかな黄身とが、そのまま溶けて甘みが口いっぱいに広がっていく。こう、何というか、口の中が幸せに満たされるような感じ。
 あっという間に堰が切れた。私は残った温泉卵も、あっという間に口の中へと流し込んでしまった。器を持ち上げ、残り汁まで丹念にすする。
「あーあー、がっついちゃって」
 すぐ脇で白黒がにやにやしているのが見えてしまって、我に返る。
「……疑ってごめん、白黒。確かにこれはいつもの温泉卵よりもおいしい」
「だろ? 普通のお湯でも作れるから、温泉の近くじゃなくても作れるんだ。当然、地底でもな」
 地底でも、という言葉に私は興奮した。つまりわざわざ地上に出なくても、この幸せいっぱいの温泉卵を食べられるということか。いやいや、私だけじゃない。お燐やその他の同僚、そして、さとり様やこいし様にも食べてもらえるということ……!
「ねえ、白黒。私、この温泉卵の作り方を覚えたいよ」
「いいぜ? お前は忘れっぽいから、すぐに思い出せるようにメモを書いてやるよ。それから、人の名前くらいはちゃんと覚えろよ」

 二

 白黒からメモをもらった私は、それを手に意気揚々と地底へと、私の住まいである地霊殿へと帰ってきた。
 帰途の私は幸せそのものだった。このメモの通りにやれば、いつでもあの温泉卵が食べられる。まずは誰に食べさせてあげようか。自分か、お燐か、それとも……
 と、考えながら地霊殿の玄関扉をぎぃと開く、と。
 玄関ホールの中央に、とても見覚えのある姿が見えたのだった。それを見た瞬間、私の頭からは、さっきまでの幸せな気持ちが、ものの見事に抜け落ちてしまった。
「さとり様!?」
 石畳の上に、私のご主人、古明地さとり様がうずくまっている。服はところどころ破れてぼろぼろ、おまけにお顔にまで少し打ち身の痣を作ってしまっている。どう見ても、誰かと一戦やらかしたとしか思えない。
「しっかりしてください、誰にやられたんですか! 私のいない間に、地霊殿に賊が入ったんですか!」
「落ち着きなさい、おくう」
 見かけにそぐわず、意外に落ち着いた反応が返ってきた。
「これは自分でやったようなものですよ……ついさっきまで、こいしと弾幕をね」
 妹の、こいし様と? 最近は全然対戦なんてしていなかったはずなのに、なんでまた、いきなり。
「おくう、知ってる? あの子最近、弾幕ごっこで負けたのですよ」
 え!? それって、もしかして。
「ええ、あなたにも勝った、あの人間たちにね。それ以来、あの子は人間たちにとても強い興味を示していて……少し心を開きそうにしています。
 もしかして、私もこいしに勝てれば、心を開いてくれるかと思って……久々に挑んでみたらこの有様よ」
「そうですか……こいし様強いですよね、やっぱり」
 さとり様は、こいし様に一度も勝ったことがないという。
 こいし様は心を閉ざしてしまったために、さとり様はその心を読むことができない。加えて、こいし様は無意識を操る。無意識のうちに放たれた弾幕は、どのような飛び方をしてくるのか、まったく予測ができないという。今のところ、地霊殿の中でこいし様に勝てる者は誰もいない。いや、いなかった。
 そうだ、今は違う! 私がさとり様の代わりに、こいし様と戦うというのはどうだ。私には、神様からいただいた核融合の力があるではないか。いかな無意識とてこの恒星の熱量が相手なら……
「なりません」
 あっという間に拒絶されてしまった。
「駄目なんですよ、おくうが勝っても……私が勝たないと、意味がない。あの子が、私に、心を開かなければ……これは、私の問題です」
 でも……
「心配は無用です。私の力で何とかしますから……あなたは普段通り、灼熱地獄の管理に専念していなさい。いいですね?」
 私に有無を言わせず、きびすを返す。傷ついた体で、あまりにも広すぎる地霊殿の石造りのホールを、よろよろと歩き去っていくさとり様は、とてもとても弱弱しく見えた。
 ……私の問題だから、だ、なんて。
 それでも、何とかしたいじゃないか。大切なご主人のために。
 地底の中でも特に卑しい生き物とされているのが、私たち地底に生きる畜生たちだ。心を読む程度の能力を持つさとり様は、そんな私たちの考えていることを自在に理解し、お目をかけてくださっている。ペットの誰もがさとり様を恐れこそすれ、嫌っている者などいるはずもない。
 ましてそれが、行き詰まって塞いでいるともなれば、励ましたいのが道理ではないか!
 と、私が思わず握りこぶしを作ったところ、右手で、くしゃり、と、妙な音がした。
 ……あれ? 何だっけ、この紙。……って、思い出した。ついさっき白黒に書いてもらった、温泉卵の作り方!
 私はそれを慌てて押し広げて……あることを思いつく。
 これに書いてある通りに作れば、私にでも温泉卵が作れるはずだ。
 あのふわふわの、甘みが口いっぱいに広がる温泉卵。あれを口にした時の感覚たるや、天にも昇るような気持ちだった。あれをさとり様にも口にしていただければ、塞ぎきったさとり様だって、きっと。
 ……よし、やろう。さとり様にあのふわふわの、幸せな温泉卵を食べていただき、とびきりの笑顔になってもらうんだ!
 そのためには、まず卵を用意して……
 …………
 …………
 ……そう言えば。肝心なことを忘れていたかもしれない。
 卵はいつも、巫女や白黒から分けてもらっていたから、気がつかなかったけれども。
 地霊殿には、というか地底には、卵がなかったのである。

 三

「さとりに温泉卵を食べさせたい?」
「そう。だから、卵がほしいんだけど」
 私はその足で地上に舞い戻って、神社で卵を分けてもらうことにしたのだが。巫女の反応は冷淡だった。
「卵ならもう切れちゃったわよ。誰かさんがゆで卵を食べまくるせいで」
 何と。酷いやつもいたものだ。あまり食い意地を張ると嫌われると思う。
「……一応新しい卵を産んでいるかもしれないから、見にいってみる?」
「うん、見る」
 それでは、と、巫女は神社の外に出ると、お社の裏手に私を案内する。
 そこには、網に覆われた、私の背丈の半分ほどの高さを持つ囲いが一つ。
 いったい何の囲いだろう、と、私が網目からそれを覗き込んでみる、と。

 こぅ──っ!

「!?」
 唐突に聞こえた叫び声みたいな声に、驚いて足を止める。
「威嚇されたわね。鶏を見るのは初めて?」
 恐る恐る、改めて囲いの中を覗き込んでみる。白い鳥が数羽、私の方を睨んでる。翼は私のより一回り短くて、飛ぶのが大変そうに見える。それから、頭に赤い烏帽子みたいなものを被ってるのが、何か個性的。
 巫女が囲いを覗き込んでいる。
「これが、鶏よ。こうやって何羽か飼っておいて、産み落とした卵が、あんたの胃袋に収まってるってわけ」
 そう言って、巫女は網を除け、囲いの中を見回している。
「……今日は産んでないわね。次の卵を産むまでしばらくかかるわ。あんたもいちいちここに卵が産まれているか見に来るよりは、実際に鶏を飼って産ませてみたら?」
「うーん、なるほど……」
 ペットのお世話といえばさとり様と、一部のペットたちに与えられた仕事だ。私自身はペットのお世話なんてやったことないけれど。
 見慣れない地上の鳥が相手とは言っても、こちらとて鳥であるのは変わりなし。だったら、お世話できないはずがない。
「……鶏って、どこで手に入るの?」
「家禽用の鶏なら、人里まで行けば売ってるぜ」
 後ろから声が聞こえてきた。白黒が立っている。
「妖怪が相手でも、売ってくれるとは思うが……お前、金は持ってるか?」
「カネって何?」
「……だろうと思った。そうだ霊夢、こいつに一羽譲ってやれよ」
 巫女が渋い顔をする。
「なんで、私が?」
「そうでもしないと毎度毎度ここに通ってきて、卵をせびって帰るだろう? こいつが一人で鶏の面倒を見て、卵も産ませられるようになれば、全部ゆで卵にされることも、なくなるんじゃないか」
 巫女が、親の敵でも見るような目で、私を睨む。
「……まあ、そういう話なら、一羽くらい譲ってあげてもいいかもね。鶏はまた、新しいのをもらってくればいいんだし」
 どこからもらってくるのかはよく分からないけれども、納得はしてくれたらしい。
「それじゃあ、ここにいる鶏の中から一羽選びなさい」
「うーん、それじゃあ」
 私は鶏たちを見回してすぐに、先ほど私に対して威嚇の鳴き声をあげた子に目をつけた。
「元気いいね、お前……よし、お前にしよう。元気よくコーって鳴くから、今日からお前はコーちゃんだ」
 私はその鶏、コーちゃんを指でつついてやった。

 四

 行き場を失った怨霊たちが、マグマの海の上をあてもなくさまよっている。
 私はそんな旧灼熱地獄の中を、帰巣本能に従い上へ上へと戻っていく。溶岩の熱から離れ、火成岩の洞穴をさらに上ると、旧灼熱地獄と地霊殿とをつなぐ唯一の出入り口であるゲートが見えてくる。
 そのゲートから顔を出すと、最初に飛び込んでくるのは地霊殿の中庭である。私は辺りを見回して、誰の姿も見えないのを確認する。
 私はゲートを閉じると、歩き始める。地底でもなぜか咲き誇る不思議な観用植物の森を抜けて、お屋敷とは反対の方角へ。
 蔦の生い茂った外壁をちょっとはしたなく乗り越えて、そのまま飛び上がる。自前で作った地図を頼りに飛んでいった先は、旧都の外れに残った廃屋。
 一応廃屋の周りに誰かいないか確認してから、中に入る。中は二畳ほどの小さな空間で、木の床に土を運び込んで、敷き詰めてある。その上に、コーちゃんが鎮座している。
 ここは地底が地獄だったころ、鬼たちが物置や休憩所として使っていたものの一つだ。今は誰も使っていないので、勝手に「鶏舎」として使わせてもらっている。
 ここにコーちゃんの鶏舎を作っているのは、さとり様には内緒にしている。もちろん、あの方の第三の目にかかってしまえば、全ての隠し事はないも同然になってしまう。だから最近は、旧灼熱地獄の火力調節にわざと時間をかけたりして、さとり様とは顔を合わさないようにしているのだ。さとり様は多忙な方なので、多少の間なら直接会わなくても気に病まれることはない。と、思う。
「おはよう、コーちゃん。元気にしていたかい?」
 コーちゃんに近づいて声をかけて見るけど、反応は薄い。コーちゃんは土の上で首をすくめているのだけれど、それを微妙に動かした程度。
 お腹の下を漁ってみるけど、卵らしきものの感触はなくて、ため息。
 地底に連れて来てからこの方、コーちゃんは元気がない。いつも目をしっかりと閉じて、ぐったりしている感じ。餌は促されれば食べるし、食欲もあるのだけれど。
 卵を産まない、産まないっていって、もう何日くらい経ったっけ。ええっと、コーちゃんをここに連れてきて、それから半日ごとに様子を見にいったのが一回、二回……十三回。多分。
 って、もう一週間近く経っているってこと!? そんなに鶏って卵を産まないものなのかしら?
 ……すると、私も既に、一週間近くさとり様とは距離を置いていることになって……
 まずい。これはまずい。私は慌てて鶏舎を飛び出して……どうしようか?
 そうだ、地上だ。まずはコーちゃんの様子がおかしいのをどうにかしなければ。
 いくら私が旧灼熱地獄の面倒を見ているからとて、一週間もさとり様と顔を合わせていないのは、さすがに怪しまれる……急がなくては。

 五

「そりゃあ、すぐには産まないだろう。長い時では三日にいっぺんくらいの時もある」
 地上の神社で、白黒に事情を説明してみせたところ、彼女からはそんな言葉が返ってきた。
「もう一週間くらい卵なんて産んでないよ。それにコーちゃん、いつも寝てばっかりだし。何か病気なのかなあ」
「寝てばかり、ねえ」
 白黒は口元に手をあてて、しばらく思案する様子を見せた。
「……つまり鶏には、朝が分からないんじゃないのか? だから寝てばかりなんだぜ、きっと」
「朝? 私は朝がきたら普通に起きてるけどなあ」
「そりゃ、地底住まいのお前と、元は地上にいた鶏とじゃ、事情が違うぜ。前に少し興味があって、調べてみたことがある」
 白黒はそう言って、得意げに人差し指を振り回した。
「鶏の卵の大元は、朝になって太陽が上って明るくなる時に、その刺激でできるものなんだよ。それがまる一日かけて、よく見る固い殻を持った卵になるんだ。地底じゃ地上の光が届かないから、鶏も朝を知るのが難しいし、卵も作れない。卵をなかなか産まないのも当然だろうな」
 朝……朝か。地底はいつも真っ暗だしなあ。かくいう私も少し前までは、朝というのはいつでも真っ暗なものなんだと思っていた。地上の朝というものを初めて見るまでは。地上も地底と同じく夜は真っ暗だけれど、朝になると山の向うから太陽が上ってきて……太陽?
「……要するに。コーちゃんに太陽の光が当たるようにすればいいわけね?」
「ああ、つまりはそういうことに……あ」
 私はにっこり笑って、白黒に言った。
「今の話、メモに書いてもらえる?」

 閑話 火焔猫燐

 ……かれこれ、おくうがあたいやさとり様と一緒に食事をとらなくなって、一週間。あたいが会おうにも、こそこそと逃げまわるばっかりで、話なんて聞けやしない。
 あたいは地霊殿の廊下を歩きながら、悪い予感をひしひしと感じていた。
 まずい。これは、まずい。
 あの態度は絶対に、何かを隠している。おくうときたら、また、あたいやさとり様を差し置いて、よからぬことを企んでいるのではあるまいか。おくうが核融合の力を手に入れて、手がつけられないほど増長した時と同じように。
 あの時はあたいが怨霊を放ち、地上から人間たちを呼び寄せて、おくうに灸を据えてもらったけれども。あの鳥頭は、そのことをすっかり忘れてしまっているのかもしれない。
 こうしてはいられない。さとり様が動き出す前に、また地上から人間を呼んで……
「それは許しません」
 背後から聞こえた声に、あたいは全身の毛が逆立つかと思った。
 さとり様が音もなく立っている……その様子は、あたいが言うのも何だけど、まるっきり怨霊のようだった。顔は青ざめ、全身から怒りのオーラをまき散らしている。さとり妖怪ならざるあたいでも分かるくらいに。
「あなたもおくうから、何も聞かされていないのですね」
 ……なんてこった、あの馬鹿鴉め。
 あたいの恐れていた、最悪の事態になってしまった。ついにさとり様が、おくうの処罰に動き出す。
「安心なさい。おくうには少し厳しめのしつけをするだけです。ただでなくてもあの子は忘れっぽいのだから、少し手荒な方法で理解させてあげないといけないのかもしれません」
 ……それは、確かに、否定できないけれども。
「分かっているとは思いますが。今回は、余計な手出しをしないでくださいね? 毎度毎度人間に事態の解決を任せていては、また私が管理不行き届きを問われてしまうわ」
「……さとり様。どうか寛大な処置をお願いします」
「善処は、してみましょう」
 さとり様は背中を見せてその場を立ち去った……あたいには何か、その背中からどす黒いものが立ち上ってるように見えてしまった。
 ……ごめん、おくう。
 今回ばっかりは、あたいもあんたを庇えそうにない。

 六

 鶏舎の中。
 コーちゃんは相変わらず、土を敷き詰めた床の上で目を固くつむって、動かない。
 ……ごめんね、コーちゃん。色々と気がついてあげられなくて。私がさとり様みたいに心を読むことができれば、もう少し早く元気になる方法を考えられたかもしれない。
 でも、もう安心だ。手元には白黒に書いてもらったメモがある。
 地底には朝がない、だなんて。
 私を誰だと思っている。朝を産み出す太陽は、ここにあるというのに。
「ほうら、コーちゃん、おはよう」
 左手の人差し指を上に向けて、水素たちを指先に集める。指先で始まった原子核融合で、小さな小さな太陽が、鶏舎の中に産み出される。
 光と熱に刺激されたのか、コーちゃんがぱっちりと目を開ける。指先に見上げた光を見上げて、彼女はばさばさと翼を動かす。
「明るいでしょう? 私は体の中に宿った八咫烏様のお力で、地底に太陽を作り出すことができるの。
 しばらくはこの太陽で我慢してね? そして早く元気になって、卵を産めるように──」

 ──霊烏路! おい、霊烏路!

 びりびり、と、鶏舎の中の空気が震える。
 いったい、何? 誰かが私の名前を呼んでいる?
 遠くの方から、足音が聞こえてくる。その音は重苦しく、幾重にも連なって……だんだん大きくなってきている!
 私は鶏舎の扉を少しだけ開けて、恐る恐る外の様子を見てみる、と。
 ものものしい集団が、鶏舎に近づいてきていた。頭に角を生やした……旧都住まいの鬼たちだ!
 なんであいつらがここに来るの? それにどうして、ここに私がいるって分かったの?
 すると、再び誰かの叫び声が、鶏舎を揺さぶった。
「そこにいるのは分かってるよ、霊烏路! さとりから話は聞いている。最近、主人から逃げまわってるそうじゃないか。うちの連中に、そこに出入りしているのを見たやつがいたから、怪しいとは思っていたが……誰にも伝えず、こそこそ隠れて何をやっている!?」
 さとり様が……なんだって? そこでようやく、私はその叫び声の持ち主を思い出す。
 鬼の集団の先頭に立つ、威風堂々たる一角の鬼。旧都に住む鬼のリーダー格、星熊勇儀。その証拠に、手にはなみなみと酒が満たされた杯を……持って、ない!?
 以前、さとり様から聞いたような、聞かなかったような。勇儀はあまりにも強いので、自らが手にした杯の酒をこぼさずに戦うという縛りを自身に課している、と。その杯を手に持っていない時は、間違いなく本気なので、絶対に戦ってはいけない、と。
 その杯を持ってない勇儀が、鬼たちの先頭で怒鳴り声をあげている。
「もしや、また地上の征服でも企んでるんじゃあるまいね? 素直に出てきて事情を話すならよし。そうでなければ、巫女が地底を荒らしに来る前に、お前を取り押さえにゃならん」
 なんでそんな大それた話になってるのか、まったく分からない。私が地上を征服? そんなこと、あったっけ。それで鬼が総出でここまでやってきている、と?
「どうした、さっさと返事しな! さもないと、こちらからそっちに行くよ?」
 鬼たちの足音が次第に近づいてくる。そして私は、先頭を歩く勇儀の隣を歩く人を見て、目の前が真っ暗になった。
 神妙な顔をした、さとり様の姿。
 まさか、さとり様が鬼たちに頼んだと? 何かさとり様は、とんでもない誤解をしてるんじゃないか。
 すぐさま出て行って、きちんと事情を説明しないと……いやいや、説明したらさとり様に秘密にしていたことが全て台無しに。そうこうしている間に鬼たちはどんどん鶏舎に迫ってくる。このまま近づかれると、さとり様が私の心を読んで、いっかんの終わりになってしまう。このまま近づかれると……
 ……やっぱり、近づかれちゃ、駄目だ!
 次の瞬間。私は鶏舎の扉を大きく開け放ち、上空へ向けて飛び上がっていた。
 ……そして次の次の瞬間には、しまった、と思った。コーちゃんを鶏舎に置いたままじゃないか!
 でも、仕方がない。まずは逃げなければ。さとり様から、距離をとらなければ。ほとぼりが冷めたら鶏舎に引き返し、コーちゃんを連れて別のところへ……
「少々、手荒な真似をすることになるが、構わないね?」
 下界から微かに、勇儀の声が聞こえる。これは、やばい。このままじゃ、鬼たちとの戦いは避けられそうにない。
「こら、待たんか! なぜ逃げる!」
 鬼たちが群れをなして追いかけてくる。そりゃあ、逃げるよ。捕まったらあっという間にさとり様の元へ連れていかれて、作戦がご破産になってしまう。
 近づかせてたまるものか。私は鬼たちから距離を置きながら、弾丸を撃ち放つ。一つ一つが鉄をも沸騰させる、小さな太陽だ。当たれば例え相手が鬼だって、無事じゃあすまない。これで鬼たちも不用意には近寄ってこれないだろう。
 そのはずだったのだけれど。
「霊烏路!」
 がつん、と、固いものどうしを打ちつける音。
 途端に、視界の一角が、弾けた。私が鬼たちに向けて放った弾幕の一部が、消し飛ばされる。
 勇儀の声が、風に乗ってやってくる。
「お前とは知らん仲でもない。私が三歩目を踏み出す前に、おとなしく降参すれば許してやるよ」
 鳥だけど、鳥肌が立った。勇儀の周りを無数の楔のような弾丸が取り巻いている。
 ……思い出した。あれはたった三歩で全てを吹き飛ばす、三歩必殺の弾幕! 勇儀が三歩を踏み鳴らしたら、誰でもただじゃすまない。
「今の音を聞いただろう? あれが一歩目さ。あと二歩を私が踏めば、我が怪力乱神がお前をたやすく踏み潰すだろう。さあ、どうする!? 私はどちらでもいっこうに構わんが」
 ……なんで。
 なんで、こんなことに、なっちゃったんだろう。
 私はただ、さとり様においしい温泉卵を食べていただきたかっただけなのに。
 間際まで秘密にして、さとり様をびっくりさせたかっただけなのに。
 ずしん、と、二歩目の足音が轟いて、勇儀の周りに新たな弾丸が敷き詰められる。
「さあ、あと一歩だ。どっちにするか決まったかい?」
 ……それなのに、どうして温泉卵のために、鬼と戦わなくちゃいけないんだ!

 爆音。

 間近に迫った怪力乱神の弾幕が、光とともに吹き飛んでいく。
 水素がぶつかり合って重水素を産み、さらにそれらがぶつかり合って、ヘリウムと陽子とニュートリノと、膨大な熱量を生む。核融合反応によって生じたエネルギーが私の周囲で渦を巻き、巨大な光の玉となって私の体を包み込む。一千万ケルビンの熱の玉に守られて、私は四方八方へ弾幕を撃ち放つ。
 熱と弾丸を際限なくまき散らすこの姿は、まさしく地獄の人工太陽。たとえ地獄の鬼が束になってかかろうと、そうそう破られるものではない。
「……やむをえんか」
 そんな声と共に、三歩目が、巨大な弾丸が勇儀の周囲に現れる。いいさ、その怪力乱神、八咫烏様の力で全て焼き払ってやる!
 ……なんでこんなに必死になって、勇儀と弾幕合戦してたんだっけ?
 思い出すのも面倒くさくなってきた。私がとうとう考えることを止めて、さらに熱量を増そうとした、その時である。

 こぅ────っ!

 地底ではあまり聞きなれない、耳をつんざく甲高い音が、地底中に響き渡った。
 その音に度肝を抜かれ、私は思わず弾幕を放つ手を休めてしまった。
 でも、反撃の弾幕は飛んでこなかった。
 勇儀も、他の鬼たちも、あまりに甲高いその音に拍子抜けしたのか、弾幕を放つことすら忘れて、背後を見ている。
「……なんだ?」
 勇儀の視線の先に映っていたのは、地上をひょこひょこと歩く、白い影。
 なんてこと。慌てて鶏舎を出てきてしまったから、あの子も開けっぱなしの扉から、つられて出てきたんだ。
 でも、見つかったことなんて、もうどうでもいいや。私は人工太陽の熱量を下げて、喜び勇んで彼女の元へと飛んでいった。
「コーちゃん!」
 茫然としている鬼たちの間をすり抜けて、私は歩み出てきたコーちゃんの元へと舞い降りる。
「具合はよくなったの? そうか、私の人工太陽を見て、元気になったんだね?」
 その言葉に応えるように、コーちゃんは首を持ち上げて一声、こぅ、と鳴いた。
「……ふぅん。その子のことを秘密にするために、勇儀との戦いを選んだというわけね?」
 ……心臓が止まりそうになった。私はここで、今最も近寄りたくない相手のことを、ようやく思い出す。
 さとり様が、私たちのすぐ目の前で、私たちを見下ろしている。
 そのこめかみにくっきりと、青筋を浮かべながら。

 七

 ハート型のクッション、地底の動物たちのぬいぐるみ、フリルに彩られた壁飾りなどなどがところ狭しと並べられたここは、さとり様の私室。ここは地霊殿にやってきて日の浅いペットたちを、さとり様がじきじきに面倒を見る場であり……同時に、素行不良なペットたちに対する説教部屋でもある。
「別に秘密にしなくても、よかったじゃないですか……」
 正面のソファに座るさとり様は、何も聞かずにそう結論づけた。この方の前で、言葉は必要ない。私はというと、さとり様ご所有のファンシーグッズを楽しむ余裕もなく、部屋の真ん中に、コーちゃんともども正座させられている。
 私の考えはあっという間にさとり様に知られて、私がコーちゃんを地底に連れ込んだ理由も、それをさとり様に隠していた理由も明るみになってしまった。勇儀を始めとする鬼たちは、さとり様からその理由を聞かされると、あっさりと理解を示して旧都に戻ってしまったという。
 かくして私は、鬼たちとの一大決戦を辛うじて免れたのだが。代わりにさとり様から、たっぷりとお説教を聞く羽目になったのだった。
「だいたいあなたはどうして、そう悪い方悪い方の選択ばかりを……鬼たちと戦うのと鶏のことがばれるのと、どちらがまずいのかと……あげくの果てには、なぜ逆切れして全力を出そうなどと……」
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
「あなたは、自身がどれほど強力な力を手にしてしまっているか、まだ理解していないようね。私も鬼たちも、人間が地底に乗り込んできて以来、とても異変に対して敏感になっているのですよ? その原因を作ったのは、誰ならぬあなた。それが不審な態度を見せたりするから、今回のようなことになるんじゃないですか」
「ごめんなさい……」
 これを言われると是非もない。あの人間……巫女と白黒が旧灼熱地獄までやってきた時の記憶は既におぼろげだけど、あの人間たちの、核融合の力をもはね除ける恐るべき強さは、今もしっかり私の脳裏に焼きついている。あんな凶悪な連中が何度も何度も地底に殴り込んできたら、私だっていやだ。
「その子……コーちゃんに感謝するのですよ? その子が鳴き出さなかったら、あなたはあのまま鬼たちに殺されていたかもしれないわ」
 と、さとり様はコーちゃんを指し示す。
「殺されていたかもって……それほどのものなんですか」
「鶏の鳴き声には、相応な力があるのです」
 さとり様の話によると、人間たちの古い言葉に、『鶏の空音』というのがあるらしい。
 昔々、追っ手から逃げていた軍人さんが敵国の関所を越えようとしていた。そこでお供の人が鶏の声真似をして関所の役人に朝だと勘違いさせて、関所の門を開けてもらった。そんな昔話が元になって、鶏の声真似をすることを鶏の空音と言うようになったのだとか。
「鶏の声音はそれほど特徴的で、錯覚を起こしやすいものなのです。鬼たちの興を削ぐには十分なほどに。
 しかも、その子は雌鶏……鳴くのは本来、珍しいのです。目の前で起こった弾幕ごっこに驚いて、鳴き声をあげたのですわ」
「そうだったんですか。じゃあ、本当にコーちゃんは、私のことを助けてくれたんだ……あれ?」
 そのコーちゃんが、自分の首を左右に振り始め、しきりに歩き回り始めた。何かせわしない。
「こ、今度はどうしたの? また調子が悪いの?」
 私はコーちゃんに話し掛けてみるけれども、そんな言葉を無視して彼女は歩き回るばかり。どうしたものかと途方にくれかけたところ。
 さとり様から、助け船が入った。
「安心なさい。今度は体の調子が悪いとかではありません。産まれそうなのよ。新しい卵が」
「え!?」
 驚いて、私はコーちゃんをもう一度見てみると。
 そのお尻から、白い塊が顔をのぞかせていた。

 八

「できましたっ!」
 鍋から取り出した白い楕円形の塊を器に収めて、私は厨房から飛び出した。そこは石造りのタイル床と大理石に囲まれた空間。地霊殿のダイニング。普段はさとり様とこいし様、お燐と私、そして他のペットたちが一緒に食事をする場所だ。
「ずいぶんと時間がかかったわね」
 ペットたちが端から端まで駆けっこできるほどの長いテーブルに、さとり様はただお一人で、温泉卵が出来上がるのを待っていてくれた。
「時間をかけて作るものなんですよ。温泉を使わない温泉卵って」
 鍋にお湯と卵を入れて、蓋をして熱を加えずに半刻。白黒から渡されたメモの通りにやったから、この卵は正真正銘、あのふわふわな白身と柔らかい黄身を持つ、食べれば幸せがいっぱい口に広がる温泉卵になっているに違いない。
「大した自信なのね。本当にきちんとできているのかしら? お料理なんてろくにやらないのに」
 即座に私の心を読んださとり様が、不安げな顔でそんなことを聞いてくるけれども。
「まあ、見ててくださいよ。見栄えは失敗っぽく見えるかもしれませんが、食べれば分かりますから」
 そう言って、私は卵をつかみ、皿のふちにその側面を叩きつけた。
 ごつん。
 …………
「あれ?」
 卵をお皿にぶつけた時の感触に、違和感があった。生卵を割る時みたいな、殻がひしゃげる感じがしない。
 三歩進んでも忘れないほど自分の手に染み付いた、この感覚は、まさか。
 恐る恐る、ひびが入った殻の隙間に、指を差し込んで見る。感覚は、実感へと変わった。
「ああああああああああああ!」
 白い薄皮を伴った殻を剥がした先に見えたもの。それは紛れもなく、つるりとした、凝固しきった白身の塊。
「……ゆ、ゆで卵になっちゃった……なんで?」
 こんなはずじゃ、なかったのに。
 あの白黒のやった通りに、作ったのに。
 さとり様に、あの幸せな温泉卵を味わっていただくはずだったのに!
 あまりの結果に頭を抱えておたおたしている私の耳に、さとり様の声が届いたのはそんな折だった。
 くすり。
「……へ?」
 頭をあげると、さとり様の笑顔がそこにあった。唇を微かに吊り上げて、いっつも眠そうに見える目をさらに細めて、さとり様は、確かに、笑っていた。
「お湯の温度が、高すぎたのね。だから白身に、一気に熱が通ってしまったの」
 そう言ってさとり様は、皿の上に乗った卵の、残りの殻を剥き始める。
「産みたての卵で作ったゆで卵ですもの、これはこれでおいしいと思うわ。だから、半分ずつにして私とおくうと、一緒に……おくう?」
 さとり様が、私の顔をじっと見ている、ように思える。
 なぜだろう。何かさとり様の顔が、ぼやけてよく見えなくなってしまった。
「おくう、泣いているの?」
 え? 私は、泣いているのか。何か色々とぼやけて見えるのは、目にたまった涙のせいなのか。
 そんな、馬鹿な。なんで、こんな時に涙なんて。
 こんなにも、こんなにも私は嬉しいというのに。
「あー、はは、ははは、さとり様が、笑ったあ」
 私も笑いながら、涙を両手で拭うが、拭いても拭いてもそれは指の間をすり抜けて、こぼれ落ちていく。ええい、止まれこいつめ。
 悪戦苦闘を続ける私の脇からにゅっと手が伸びてきて、私の目頭を柔らかい布で押さえつける。
「そりゃあ、私だって笑いもしますよ……何を言っているのかしら」
 さとり様が私の涙を拭き取ってくださってる、と分かった時には、あまりのことに中から陽子が飛び出しそうになった。なんてことだ。私の汚い泣き顔を、さとり様に拭かせてしまうなんて。
「いいのよ。心配かけてすまなかったわね。こいしのことなら、もう大丈夫よ」
「ほ、本当ですかぁ?」
 さとり様はハンカチを仕舞い込むと、私に向かって笑いかけた。
「この一週間。どうやってこいしの無意識の弾幕をしのぐか、そればっかり考えていたのだけれどもね。でも、おくうが何のために鬼たちと戦ったのかを知ったら、深刻に考えるのが馬鹿馬鹿しくなってきたわ」
「な、何か酷いこと言われたような気がするんですが」
「しゃにむにことに当たれば、いつかは道が開けるということですよ。コーちゃんがあなたに救いの手を差し伸べてくれたようにね。私も頑張らなくちゃ。
 そのためにも、体力、つけないとね。さあ、いただきましょうか」
 そう言って、さとり様はテーブルの上の卵を指し示す。私が二つ返事で了解するのに、時間はいらなかった。
 温泉卵は、うまく作れなかったけれども。さとり様はそんな私に、不器用な私に、笑いかけてくださった。そのさとり様と食べるお食事は、何でもおいしいに決まってるのだ。


「あら」
 さとり様が、ナイフで縦に割った卵の切り口に。目を止めている。
「黄身はいい具合に半熟ね」
 温泉卵が好きです。
 卵かけご飯はもっと好きです。
 目玉焼きも黄身を割って食べる人が多いと言いますし、人はなぜに半熟卵に魅せられるのでありましょうか。
 東方地霊殿のおまけテキストで空が食べているのは「ゆで卵」なんですよね。温泉を使って調理した卵であれば、ゆで・半熟にかかわらず「温泉卵」と呼称して良いそうなんですが、まあそれはさて置きます。きっとおくうは出力が強すぎて、いつもゆで卵しか食べられてないんだろうな、というところから今回のお話を着想しました。
 とりあえず、今は卵かけご飯が食べたいです。
FALSE
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作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2010/03/20 12:16:19
更新日時:
2010/03/20 12:16:19
評価:
11/12
POINT:
66
SPPOINT:
57
Rate:
1.52
1. 通常ポイント6点 お題ポイント5 ■2010/03/21 03:12:29
くすりは無かったが、黄身を極めてたらいつの間にか音に到達した感じが羨ましいです。
地味に料理が上手い魔理沙が可愛い。
鬼の意味不明なノリも面白い。楽しく読めました。
2. 通常ポイント7点 お題ポイント5 じろー ■2010/03/25 17:24:13
おくうが最初に食べているのは温泉卵であると描写があった次にゆでたまごよりおいしいという魔理沙の言があって、若干混乱しました。おくうはゆでたまごを食べているんですかね?それとも温泉卵?ちょっとわからなかったです。

おくうの不器用な性格と優しさが表れていて、ほんわか心が温まる話でした。
一人称形式がうまく活きている文で、おくうの気持ちに感情移入することができました。
ごちそうさまです。
3. 通常ポイント6点 お題ポイント6 ワタシ ■2010/03/26 00:54:15
お空の無自覚さと純朴さが出てて非常にかわいかったです。
お空を見ててがんばろう、という結論は良いのですが、こいしの名前が出てきて
地霊殿の内輪であまりその辺に触れられない、という点でちょっとしこりが残りました。
このくらいの話なら悩みもペットが反抗的とかもう少し軽いものにするのもありだったと思います。
卵で解決する悩みという変え方もありますが、悩みとまったく関係ない発想が出る方が
とにかく喜ぶことしたいというお空の心が伝わるので、これは話のスタンス次第でしょうか。
4. 通常ポイント5点 お題ポイント5 八重結界 ■2010/04/02 14:16:42
健気なお空は見ていてとても可愛いものです。
ちゃんと作れていないあたりも、なんだかとてもお空っぽい。
5. 通常ポイント4点 お題ポイント3 ぶるり ■2010/04/02 17:55:49
短い割に話が濃く、好感が持てました
でも濃いばっかりに駆け足な印象も否めず。
6. 通常ポイント5点 お題ポイント5 ぶるり ■2010/04/02 18:07:27
地霊殿ほっかほか! ほかほか!
7. 通常ポイント7点 お題ポイント7 静かな部屋 ■2010/04/02 20:31:39
【内容のこと】
 美味しそうだなあ。 家でも作ってみようかな? 
魔理沙の、人に物を教えるときに特有の愉悦や、
お空の素朴な信仰が、台詞によく表れていていいと思いました。
 しかし、鶏一羽でここまで話を大きくするとは、さすが馬鹿。
純真で良いです、良い意味で。

>「その子……コーちゃんに感謝するのですよ? その子が鳴き出さなかったら、
>あなたはあのまま鬼たちに殺されていたかもしれないわ」
>と、さとり様はコーちゃんを指し示す。
>「殺されていたかもって……それほどのものなんですか」
>「鶏の鳴き声には、相応な力があるのです」

この部分についてなのですが、会話が噛み合ってない様な気がしました。
(鬼の力って)それほどのものなんですか? 鶏は凄いんです。

やっぱり噛みあってないですよね?

あと、最後のほうに『しかも、その子は雌鶏……鳴くのは本来、珍しいのです。』という台詞がありますが、
神社でも鳴いてましたよね?
【お題のこと】
「くすり」は、あれですかね? お空の人工太陽が、コーちゃんにとって良い薬になったと。
三つとも、効果的に使えていたと思います。
8. 通常ポイント6点 お題ポイント4 飛び入り魚 ■2010/04/02 21:48:08
 温泉卵を食べさせようとしたら怪力乱神vs核というスペクタル。
 お馬鹿だけど、根っこには優しさからというばかわいいを体現したSSでした。
 いっそ規模を大きくして幻想郷を巻き込むギャグ物になってもいいなあという個人的な妄想が膨らみました
9. 通常ポイント6点 お題ポイント5 時計屋 ■2010/04/02 22:18:52
短編とは思えないほど、中身の濃いお話でした。
主人のために頑張る健気なおくうが印象的でした。
10. 通常ポイント8点 お題ポイント7 Ministery ■2010/04/02 22:26:23
たんぱく質取りたくなりました。具体的には卵料理。
ほのぼの地霊殿、ご馳走様です。
11. 通常ポイント6点 お題ポイント5 K.M ■2010/04/02 22:49:31
健気な鳥頭に乾杯。
どちらかと言うと固茹で卵が好きです。
12. フリーレス 名前が無い程度の能力 ■2010/04/05 00:18:53
お空が鶏を飼って、ゆで卵を作るだけ。
たったそれだけ話の中に展開されるドラマ性とスリリングなやりとり。
お題処理としての卵の「きみ」が出てくる作品はたくさん見受けられましたが
この作品こそ、最も真摯な姿勢で卵の黄身にぶつかっていったのではないでしょうか。
しかし「きみ」「音」の見事な使い方に比べると「くすり」が目立っていないような気がして残念。
弾幕、特に三歩必殺の表現には脱帽です。
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